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あの地味なお弁当箱の中に詰まっていた愛情の重さを、私は何も知らなかった

コラム

廊下で聞こえた声

翌週、園の廊下で彼女の声が聞こえました。「先生、明日のお弁当なんですが、卵と乳製品は除去でお願いします」。

除去食。アレルギー対応。あの地味に見えたお弁当は、使える食材が厳しく限られた中で作られていたものだったのです。チーズもハムも卵も使えない中で、彼女は毎朝どれだけの時間と神経を注いでいたのか。それを想像した瞬間、視界がにじみました。

そして...

帰り道、自分のスマホに並ぶキャラ弁の写真を見返しました。「いいね」の数。手間を愛情の量だと信じ込んで、それを持たない人を見下していた自分。私が作っていたのは子どものための弁当ではなく、「ちゃんとした母親」でいるための証明だったのかもしれません。

翌朝も4時に起きました。でもその日はキャラ弁ではなく、娘の好きなおかずだけを丁寧に詰めました。蓋を閉めるとき、ほんの少しだけ手が軽くなった気がしました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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