
給湯室で噂を聞いてしまった私が、それでも自分から打ち明けることを選んだ理由
コラム
一週間後に決めたこと
それから一週間、私はずっと考えていました。何も言わずに我慢を続けるか、信頼できそうな人に打ち明けるか。職場で「弱音を吐く先輩」になることが、ずっと怖かったのです。それでも、一人で抱え込み続けることのほうが、結局は仕事にも娘にも良くない気がして、勇気を出して後輩にメッセージを送りました。
「少し話せませんか」水曜の終業後、オフィス近くのカフェで向かい合いました。私はゆっくりと事情を話したのです。
「実は娘が、夜中ずっと泣いていて」夫が出張中であること、頼れる親もいないこと、夜は3時間ほどしか眠れていないこと。後輩は驚いた顔のまま、何度もうなずいてくれました。
ひと通り話したあと、私は意を決して、あの給湯室のことに触れました。「噂、聞いていました」後輩は紙ナプキンを握りしめ、頭を下げました。「ごめんなさい。何も知らずに」私は首を横に振り、自分の言葉で返したのです。
「相談しなかった私も悪いんです」
そして...
打ち明けたことで、長く溜め込んでいた重さが、少し軽くなったように感じました。翌日、私は上司にも娘の状況を伝え、しばらくは会議の出席を最小限にしてもらえることになったのです。
あのとき、給湯室の死角で動けなくなっていた自分のことは、今でも時々思い出します。あれは怒りでもなく、悲しみでもなく、「気づいてほしかった」と「気づかれたくなかった」が混ざった、説明のしにくい感情だったのだと思います。
今は娘の夜泣きも少しずつ落ち着いてきました。後輩は廊下ですれ違うたび、「お疲れさまです」と声をかけてくれます。私はそのたびに、笑って「ありがとう」と返しています。
(30代女性・営業企画職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























