
「正直に言うと、俺はたぶんまた立ち直ると思う」1時間かけて彼女に嘘のない返事をした話
コラム
嘘のない返事
書きあぐねた末、僕は決めました。嘘で彼女を安心させるのは、結局、自分が薄情だと認めたくないだけのごまかしだ。だったら、本当のことを書こう。
「ごめん、すぐ答えられなくて。」と打ち始めました。「正直に言うと、俺はたぶんまた立ち直ると思う」書いた瞬間、本当にこれを送っていいのか、と何度も迷いました。
でも、その続きを書き足しました。「でも、今君と過ごす時間を一日も無駄にしたくない」
送信ボタンを押すまでに、画面を何度も見直しました。送ってから数分、彼女からの返信は「ありがとう」のひとことだけでした。
嫌われたかもしれない、重すぎたかもしれない、と不安が膨らみました。布団に入っても、しばらく目を閉じることができませんでした。
そして...
翌朝、彼女から電話がありました。彼女が朝早くに電話してくることは、ほとんどありません。通話ボタンを押すまでに、少しためらってしまいました。
「昨日のメッセージ、ありがとう。正直に答えてくれて、それが一番嬉しかったの」
電話の向こうの彼女の声は、わずかに揺れているように聞こえました。「よかった」とだけ、僕は返しました。
長年抱えていた「薄情な人間なんじゃないか」という不安は、消えてなくなったわけではありません。でも、嘘で取り繕った愛じゃなくて、不器用な正直さで彼女と繋がれたという感覚が、確かに残っていました。
悩んだあの夜のことを、これからも忘れないと思います。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























