
「採点できない」と返信してしまった俺が、画面の向こうで動揺する彼女に伝えた本音
コラム
言わざるを得なくなった返信
少しして画面を確認すると、「低いの?」というメッセージが新しく届いていました。さすがにこれは違うと、慌てて「違う」とだけ返しました。でも彼女は納得しません。「じゃあなんで?」と聞いてきます。
俺は観念しました。これ以上はぐらかせば、本当に彼女を傷つけることになります。何度か文章を打っては消し、消しては打ち直して、覚悟を決めて送信ボタンを押しました。「100点満点じゃ足りないから」。送ったあと、しばらくスマホを伏せて置きました。送信済みの自分の文面を、もう一度見る勇気がありませんでした。
そして…
しばらくしてスマホを開くと、彼女から届いていたのは「……反則」のひとことでした。その後ろに続く言葉はありません。それだけで十分すぎる返事だと思いました。俺はとっさに「聞いたのはお前」と送り返しました。本当はもっと違うことを送りたかったのに、これ以上気の利いた文面が浮かんできませんでした。
あのとき素直に「満点」と送らなかったのは、たぶん照れ隠しと、彼女に少しだけ動揺してほしいような気持ちが半分ずつあったからだと思います。結果的にずいぶん回り道をしましたが、点数を聞かれて困った俺と、それを聞いて困ってしまった彼女、どっちもどっちな夜でした。あの質問にはもう一生まっすぐ答えないと思います。あの夜の返信で、もう十分すぎるくらい伝わったはずだから。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























