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ホームに入ると決めたのは私だ。娘にも親戚にも言えない本心を、職員にだけ打ち明けてきた

コラム

職員にだけこぼしたひとこと

老人ホームでの暮らしが始まって、私は将棋仲間ができ、毎朝のラジオ体操にも参加するようになりました。担当の女性職員さんとは、何気ない世間話をする間柄になっていきました。

ある日、娘の面会が予定に入ったことを伝えると、職員さんが「お嬢様、よく来てくださいますね」と笑顔で言いました。私は思わずこぼしました。「娘には娘の人生がある。あの子に縛られてほしくないんだ」。口にしてから、ずっと飲み込んでいた言葉だったと気づきました。職員さんは「お父様の気持ち、いつかお嬢様にも伝わりますよ」と穏やかに答えてくれました。

そして...

先日、娘が突然訪ねてきました。いつもより少し早足で、目元が少し赤いような気がしました。私は将棋を中断して声をかけ、「もう少し待ってて」と笑顔を見せたつもりです。

帰る間際、娘は「お父さんの選択を、私は誇りに思ってる」と言いました。職員さんが何か話したのかもしれません。私は照れくさくて、「そうか」とだけ返しました。本当はもう一つ、伝えたかった言葉があります。「お前が誇りに思ってくれて、俺は救われたよ」。次の面会では、これを伝えるつもりです。

(70代男性・元会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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