
「深い意味はないよ」とごまかした僕のアイコン候補には、言えなかった思い出が詰まっていました
コラム
自販機も、鳩も、食べかけのたい焼きも、僕にとっては大切な一枚でした。けれどいざ理由を伝えるとなると、どうにも照れくさくて。だから僕は、つい違うことを文字にしてしまったのです。
相談されて
「アイコンの候補、いくつか選んでくれない?」
彼女からそうお願いされたとき、僕はうれしくて、つい張り切ってしまいました。ふつうなら、彼女がきれいに写っている一枚を選べばよかったのかもしれません。
でも僕がフォルダから選んだのは、それとはまるで違う写真ばかりでした。理由は、自分でもちゃんとわかっていたのです。
それぞれの一枚
一枚目の自動販売機は、初めてふたりで出かけた帰り道に撮ったものです。冷え込んできたころ、僕がそこで温かい飲み物を買って渡すと、彼女が両手で缶を包んで笑ってくれました。
二枚目の鳩は、公園を歩いていたとき、地面をついばんでいた一羽を撮ったもの。彼女が驚いて腕をつかんだのが忘れられません。
三枚目のたい焼きは、彼女が決まって頭からかじるのがかわいくて、その食べかけをこっそり撮った一枚。
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言えなかった理由
























