
「そのドレス、目立ちすぎない?」姉が私の結婚式に真っ赤なドレスで現れた話
コラム
「他に着ていくものなかったの?」と鏡越しに聞くと、姉は「あなたは、いつもそう」とだけ言い残しました。私の結婚式で、姉と交わした最後の言葉になりました。
控室のドアが開いて振り向くと、そこにいたのは、真紅のロングドレスに身を包んだ姉でした。
「間に合ってよかった」
1ヶ月前、私は姉に「白に近い色や、派手すぎるものは避けて」というメッセージを送っていました。姉からは「分かった」という返信だけが届きました。当日姉が身につけていたのは、光沢のあるサテンに細かなビーズが縫い付けられたドレスと、耳元で揺れる大ぶりのイヤリングでした。
私は姉に近づいて、「そのドレス、目立ちすぎない?」と聞きました。姉は目を合わせずに、母に「間に合ってよかった」と声をかけました。私は鏡の中の自分と、視界の端に映る赤を、何度も見比べていました。
参列者の視線が集まる
挙式の間、バージンロードを進む私の視界の端で、来賓席の左手前だけが明らかに色づいて見えました。披露宴では、姉の周りだけ小さなざわめきが起きました。「あちらのお姉様、素敵ですね」と、夫のご両親からも声をかけられました。私は「そうですね」と返しながら、羽織り物1つない姉の肩ばかりが目に入っていました。
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化粧室での対峙


























