
会えないと言ったあの日、俺は予約の取れない店に頭を下げていた
コラム
彼女の誕生日に、俺はわざと会えないと伝えました。本当の理由を隠したまま。それが正しいと思っていた自分を、今は信じられない気持ちです。
予約が取れなかった、あの店
彼女と付き合って2年。誕生日には、いつもとは違う特別な時間を贈りたいと思っていました。前から二人で行きたいねと話していた、駅前のレストラン。そこで祝えたら、きっと喜んでくれる。そう信じて疑いませんでした。
ところが、いざ予約しようとすると、誕生日当日の席は空いていません。電話でも断られ、俺は焦りました。彼女の誕生日を、ありきたりな形で終わらせたくない。その思いだけが、頭の中で大きくなっていったのです。
会えないと、嘘をついた
考えた末に、俺は誕生日の前日、お店へ直接足を運びました。事情を話して頭を下げ、誕生日の数日後に、なんとか席を用意してもらえることになったのです。店員さんと真剣に打ち合わせをして、当日のサプライズの段取りまで相談しました。
問題は、彼女にどう伝えるかでした。本当の予定を知られたら、サプライズになりません。だから俺は、その日のうちに彼女へ「ごめん、誕生日どうしても会えなくなった」とだけ送りました。
別の日に驚かせるための、ささやかな嘘のつもりでした。当日に会えないと言われた彼女が、どんな気持ちになるのか。そこまで考えが及んでいなかったのです。
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彼女が、確かめにきた


























