
会えないと言ったあの日、俺は予約の取れない店に頭を下げていた
コラム
彼女が、確かめにきた
数日後、彼女に呼び出されました。何か気づかれたのかもしれない。そんな予感を抱えながら向かうと、彼女はまっすぐ俺を見て言いました。
「前日にあのお店にいたよね。どうして会えないなんて言ったの」
友人に見られていたとは、思ってもいませんでした。サプライズはもう隠しきれない。観念した俺は、ばつの悪さを感じながら打ち明けました。
「当日は予約が取れなかったんだ。だから別の日に、ちゃんとお祝いしたくて」
言いながら、自分の浅はかさに気づいていました。彼女はずっと、ひとりで嫌な想像をして苦しんでいたのだと。
そして...
彼女は怒るでもなく、ただ少しさみしそうに笑いました。その表情を見て、俺は自分のしたことの意味をようやく理解しました。サプライズという形にこだわるあまり、目の前の彼女の気持ちを後回しにしていたのです。
本当は「お祝いは別の日にしよう」と正直に伝えればよかった。それだけのことが、どうしてできなかったのだろうと悔やみました。
驚かせることより、安心させること。彼女が本当に望んでいたのは、きっとそちらだったのだと思います。今度のお祝いの日には、小細工なしに、まっすぐ気持ちを伝えるつもりです。
(20代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。




























