
呼び捨てを名字に戻したのは、彼女を守るためだった。でも本当は、僕が逃げただけかもしれない
コラム
言えなかった本当の理由
呼び方を変えてしばらくして、彼女に聞かれました。
「呼び方、変わりましたよね」
まっすぐ目を見られないまま、僕は「ごめん、なんか馴れ馴れしかったよね」と返すのが精一杯でした。本当の理由を話せば、自分の気持ちまで打ち明けることになる。それが怖くて、僕は彼女を遠ざける言い方を選んでしまったのです。
表情が曇っていく彼女を前にして、自分の不器用さが情けなくなりました。彼女を守るためだと言いながら、結局いちばん守っていたのは、傷つきたくない自分だったのかもしれません。
そして...
彼女が下の名前で呼ばれて、どんな顔をしていたか、僕はちゃんと覚えています。あの距離を自分の手で遠ざけてしまったことを、今でも悔やんでいます。
いつかもう一度、まっすぐ彼女の名前を呼べる自分になれたら。そのときは逃げずに、本当の気持ちも一緒に伝えたいです。そう思えるようになっただけ、少しは前に進めたのかもしれません。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























