
「私の名前は、いらないってこと?」二人で決めたはずの表札から、私の名前だけが消えていた話
コラム
新しい家の鍵を受け取った帰り道、私は表札のデザインの写真を何度も見返していました。木目を生かした、二人で選んだお気に入りの一枚です。完成が待ち遠しくて仕方なかったのに、その表札が私を戸惑わせることになるとは思っていませんでした。
二人で選んだ表札
彼との同棲を決めて、新しい家を借りることになりました。間取りを選び、家具を一緒に見て回る時間は、これからの暮らしを思い描くようで、毎日が本当に楽しかったのを覚えています。中でも私が楽しみにしていたのが、玄関の表札でした。
何種類ものデザインを二人で見比べて、木のぬくもりが感じられる一枚に決めたのです。私は当たり前のように言いました。「二人の名前を並べた表札にしようね」。彼も笑って「うん、そうしよう」と答えてくれました。その言葉を、私は少しも疑っていませんでした。
完成した表札を見て
それから何日かして、注文していた表札ができあがりました。私はわくわくしながら箱を開けたのですが、刻まれていたのは彼の名前だけでした。並んでいるはずの私の名前は、どこにもありません。何かの手違いかもしれない。そう思って、私は彼に確かめました。「これ、あなたの名前しかないよね。私の名前は?」。すると彼は、目を合わせないまま「今はこれでいいから」と答えたのです。私は思わず聞き返しました。「私の名前は、いらないってこと?」。彼は「そうじゃない。もう少しだけ待ってほしいんだ」と言うだけで、それ以上は何も教えてくれませんでした。
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居場所のない家

























