
彼から届いた部屋の写真に、私が贈った香水の箱だけ開いていた。「あの香水、開けたの?」
コラム
もったいないから開けていない。彼はそう言っていたはずでした。それなのに、なぜ箱は開き、中身は減っているのか。彼が誰のためにそれを使ったのか、考えるほどわからなくなっていきました。
彼から一枚の写真が送られてきました。やっと片付いたという、彼の部屋の机まわりです。その隅に、私が贈った香水が写っていました。ところがその箱は、まだ開けていないはずなのに、開いていたのです。
まだ開けてないはずの香水
彼とは付き合って二年になります。少し前の記念日に、私は彼へ香水を贈りました。彼の雰囲気に合いそうな香りを、ずいぶん迷って選んだものです。渡したとき、彼はうれしそうにしながらも「もったいないから、まだ開けてない」と言っていました。
だから私は、その香水はきれいな箱のまま、彼の部屋にしまわれているのだと思っていたのです。それなのに、送られてきた写真の中の箱は、ふたが開いていました。よく見ると、中の瓶も少しだけ減っているように見えます。開けていないはずのものが、確かに使われていたのです。
ふくらんでいく問い
写真を見つめるほどに、小さな問いが次々と浮かんできました。いつ開けたのだろう。なぜ私には開けていないと言ったのだろう。そして、誰のために身につけたのだろう。彼はふだん、香水をつける人ではありません。
それなのに、私の贈ったものだけが使われている。私と会うときに、彼から香りがした覚えはありませんでした。だとすれば、私の知らない時間に、私の知らない誰かと会うときに使っていたのではないか。
一度そう考えると、その想像はなかなか頭から離れてくれませんでした。画面の写真を何度も拡大しては、また閉じていました。
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ためらいながら送ったひとこと

























