
別れを告げた彼が最後に手を伸ばしたのは、傷ついた私ではなく落ちかけたコートだった
コラム
私のコートを、彼は掛け直した
席を立った彼は、落ちそうになっていた私のコートを整えました。「これ、掛けなおしとくね」と言って。別れを告げたばかりの人が、最後に気にかけたのが私ではなくコートだったこと。その横顔を見ていられず、私はそれを取って、玄関を出ました。
そして...
あの日から一度も着られずにいたコートに、新しい街ではじめて袖を通した日のことです。ポケットの奥で、折りたたまれた紙が指に触れました。「向こうで、無理だけはしないで」。掛け直すふりをして、彼が残していったのだと、ようやく分かりました。気にかけられていなかったのは、私の思い違いだったのです。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























