
「あの日の私の写真、消したよね」。残っていたのは、後ろ姿の一枚だけ
コラム
一枚の写真を消したことを彼の冷たさだと決めつけていた私は、その理由を聞いて、責めるつもりだった気持ちが行き場をなくしました。
彼が一日中撮ってくれたはずの写真の中から、私が写った一枚だけが、消えていたのです。
一枚だけ足りない写真
付き合って二年の彼と、休みに二人で遠出をしました。彼は新しく買ったカメラで、行く先々の私を何枚も撮ってくれました。帰ってから送ってもらった写真を順に見ていくと、海辺の遊歩道で撮ってもらった一枚だけが、どこにもありません。彼が確かにシャッターを切ったのを覚えているのに、その番号だけがぽっかりと抜けていました。代わりのように残っていたのは、私が先を歩く後ろ姿の一枚でした。
顔の見えない一枚が残った意味
よりによって、私の顔がきちんと写った一枚を消して、こちらを向いてもいない後ろ姿だけを残す。その選び方が、どうしても引っかかりました。私の顔なんて、もう残したくないのかもしれない。あの日、何か気に障ることを私がしたのかもしれない。聞けばいいのに、答えが怖くて、私はその話題を避けたまま、口数も減り、彼と目を合わせることも少なくなっていきました。
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消した理由を聞いて























