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料理を褒める代わりにこっそり写真を撮っていた俺が、彼女にどうしても言えなかった一言

コラム

彼女の手料理を食べるたび、俺は写真を残していました。おいしいと思っていたのに、感想は口にできませんでした。覚えて自分でも作れるようになりたい。その理由を言わないまま撮り続けたせいで、彼女を不安にさせていました。

感想を言う習慣がなかった

彼女が部屋で料理を作ってくれる時間が、俺は好きでした。肉じゃが、出汁巻き卵、唐揚げ。どれも彼女が大事にしている味だと分かっていました。

もちろん、おいしいと思っていました。けれど、俺の家では食事中に味の感想を言う習慣がありませんでした。黙って食べて、「ごちそうさま」と言う。それが普通でした。

だから彼女の皿を前にしても、うまく言えませんでした。言ったほうがいいと分かっているのに、言い慣れない感想だけが後回しになっていました。

写真で覚えようとしていた

俺は、せめて彼女の料理を覚えたいと思いました。盛りつけ、具材の大きさ、鍋に入れる順番。写真に残しておけば、あとで自分でも作れるかもしれないと考えました。

彼女が疲れて帰ってくる日に、同じ味を出せたら喜んでくれる。そう思っていたのに、俺は撮る理由を話しませんでした。

「写真撮ってもいい?」と聞くことさえ、照れくさくて避けていました。結果として、彼女から見れば、感想も言わずに写真だけ集めている人になっていました。

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