
弁当を半分残す夫へ聞いた私。数日後の空の箱
コラム
残ったお弁当箱と新しく作った夕飯のおかずをつつく食卓が、いつのまにか当たり前になっていました。それがなくなった日、私はほっとして、それから少しだけ寂しくなったのです。
食卓に広げたお弁当箱には、私が詰めたおかずが、半分だけ残っていました。
半分だけ残るお弁当
夫にお弁当を持たせるようになって、半年ほどになります。結婚してから続けてきた、私なりのささやかな習慣でした。夫が食べきれずに戻ってきたおかずは、2人の夕飯のときに分け合って食べます。冷めた卵焼きをつまみながら、夫は「うまいよ」と言ってくれました。それでも、箱の底に残るご飯粒を見るたび、私の中には小さな引っかかりが残っていきました。
いらないなら、と聞いた日
食卓で向かい合ったとき、私はとうとう聞いてしまいました。
「いらないなら、言ってね」
責めるつもりはなかったのに、声が思ったより硬くなりました。夫は箸を置いて、焦ったように顔を上げます。
「いらないなんて、そんなことないよ」それから、絞り出すように続けました。
「本当に感謝してるよ。ただ、仕事が立て込んでて、食べる時間がなかっただけで」
忙しさで少し痩せた夫の横顔を見て、私は自分の問いを悔やみました。
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