
電車でくしゃみを続けた女子高生に、隣の男子が渡した物
コラム
隣の男子高校生の一手
4度目のくしゃみのあと、女子高生のすぐ隣に立っていた学ラン姿の男子高校生が、背負っていたリュックのポケットに手を伸ばしました。取り出したのは、ビニールに包まれたままの、新品のマスクでした。彼はそれを両手で持ち、「よかったら、これ使ってください」と落ち着いた声で言いました。
そして...
女子高生はマスクを両手で受け取り、うつむいたまま袋を握りしめていました。頬まで赤くなっているのが、離れた場所からでも見てとれます。次の駅が近づくと、彼女は隣の友人に何かささやいて、ドアが開くと同時に逃げるように降りていきました。友人も慌ててその背中を追っていきます。
年配の女性は目を細めて、男子高校生に小さく頭を下げていました。誰かの大きな一言よりも、差し出された1枚が場の空気を変えることがあるのだと、あの電車の中で教えてもらった気がしています。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























