
失恋の曲を呼び出し音にした俺。元カノが消えた日
コラム
気持ちを表に出したことは1度もありません。ただ、呼び出し音だけが俺の未練をひそかに漏らしていた気がします。気づいたのは、彼女が消えかけてからでした。
共通の友人からの案内メッセージに、彼女の「用があって行けない」の一言だけが、いつからか続くようになっていました。
気持ちを言わないまま、2年が経とうとしていました
大学のサークルの後輩で恋人だった彼女から、別れを切り出されたのは俺の方でした。「気持ちが分からなくなった」という一言に、俺はただうなずいて、それきりでした。本当は好きだと言えばよかったと、今も思っています。
別れて1週間もしないうちに、俺はスマホの呼び出し音を、2人でよく口ずさんでいた失恋のバラードに変えました。誰にも聞かせるつもりのない、自分だけの吐露のつもりでした。
共通の友人が多く、あいつとはその後も集まりで顔を合わせる関係が続きます。俺は「友達に戻れてよかった」の顔で2年を過ごしていました。
用件の電話に、俺はいつも通り応えたつもりでした
その日、彼女から電話が入りました。用件は、来週の集まりの店の予約確認です。「もしもし、どうした?」といつも通りの声で出て、「うん、覚えてる。予約とっとくよ」とだけ答えました。呼び出し音のことは、その時は思い出してもいませんでした。
彼女は少しだけ間を置いて、いつもより短めに電話を切りました。翌週の集まりに、あいつはいつも通り笑って来てくれました。俺は「お、来てたんだ」と、いつもの距離感で近づきました。
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元カノの席に、別の顔が座るようになりました
























