
「全部任せるね」と言った友人は、旅先で一度もカメラを取り出しませんでした
コラム
駅で渡した手作りのしおりを、友人は特急が動き出す前に鞄へしまいました。
予約した釜めしの店でも、友人はメニューに迷いもしませんでした。注文を終えた甘味の席で、旅の間ずっと聞けずにいたことを、思い切って確かめることにしました。
「全部任せるね」から始まった旅
去年、転勤で遠くの街へ引っ越した友人と、2人で出かけるのは初めてでした。日帰りの旅行を提案すると、メッセージで「全部任せるね」と返ってきました。庭園に釜めしの店、友人の好きな和菓子屋まで調べて、分刻みの旅程をしおりに書き込みました。
「同じでいいよ」と合わせる友人
見頃の庭園でも、友人はカメラを一度も取り出さず、時々、腕時計に目をやっていました。予約した釜めしの店でも、迷う様子を見せずに、「同じでいいよ」と私に合わせました。楽しみにしていたのは私だけだったのかもしれません。この後の行程を減らすかどうか、頭の中で組み替えてばかりいました。
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