
友人の完璧な旅程を前に、「同じでいいよ」とだけ言った私の本音
コラム
見頃の花の前でも、私のカメラは鞄に入ったままでした。友人があんみつの席で聞いてくれるまで、私は本音を言い出せずにいました。
差し出された手作りのしおりには、どのページにも、分刻みの旅程がぎっしりと並んでいました。
「全部任せるね」と返した日
転勤で引っ越してから、友人と出かけるのは初めてでした。旅行の誘いがうれしくて、メッセージで「全部任せるね」と返しました。行き先はどこでもよくて、会って積もった話ができれば、それで十分だったのです。
腕時計ばかり見ていた
庭園は花の盛りでした。私は次の場所に間に合うかどうかが気になって、何度も腕時計を確かめていました。カメラを出す余裕さえありませんでした。釜めしの店でも、メニューの文字が頭に入ってこないまま、「同じでいいよ」とだけ言いました。しおりの通りに回るたび、話したかったことは後回しになっていきました。
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やっと言えたこと


























