
「プリント全部見せて」ほとんど講義に来ない友人にそう言われた私が、1枚だけ渡した理由
コラム
私が代わりに口にした質問
断る言い方をいくつか考えて、どれも口から出てこず、代わりに出てきたのは質問でした。「どこが分からないの?」友人はストラップの先をつまみ、私の手元だけを見ています。返事が来ないまま、隣のテーブルの学生が入れ替わりました。どこで止まっているのかを言えない相手に束ごと渡しても、写した画面の中で同じ場所に戻るだけです。私はファイルを開き、最終回の分だけを抜きました。表紙の条件を書き込んだ、付箋の貼ってある1枚です。「今日の分だけ。ここから始めて」。友人は「ありがとう」と言って、その1枚を折らずに鞄へしまいました。
そして...
後期の初回、友人は教室の前のほうに来ていました。配られたレジュメの余白に、友人はペンを走らせています。私が隣に座って自分の付箋を出すと、友人のレジュメの端にも、色違いの付箋が1枚だけ貼ってありました。同じ束を写した紙ではなく、自分の手で埋めた余白が、そこに並んでいます。
(20代女性・大学生)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























