
母からの電話は「あなたが間違っているわよ」。家事を彼女に任せきりだった俺の1週間
コラム
彼女のいない部屋で、俺は初めて洗濯表示のタグを裏返しました。洗い物のたまっていく流しの前で途方に暮れていたころ、実家の母から着信が入ります。
母がやるのが当たり前の家で
俺の実家では、家事は全部母の仕事でした。父が台所に立つ姿を一度も見ないまま、俺は育ちました。同棲して3年、彼女に「ゴミ出しだけでも、お願いできないかな」と頼まれたとき、俺は「家事は女がやるもの」と返しました。深く考えて出た言葉ではありませんでした。彼女は蛇口を締めて、泡の残る手をタオルで拭いていました。その背中に、俺は続きの言葉をかけませんでした。次の日も食事は変わらず用意されていて、俺はそれを当たり前だと思っていました。
取り皿を置いた母
数日後の予定は、二人で行く俺の実家での食事でした。場をなごませるつもりで、俺は「こいつ、料理まだまだなんだよね」と笑いました。彼女は箸を置いて、口を開きました。「私も彼と同じだけ働いています。二人の生活なのに、家事だけは私の仕事になっているのが、ずっと苦しかったです」。初めて聞く、低い声でした。母は取り皿を置いて、俺のほうへ向き直りました。「あんた、それでいいと思ってるの」。俺はお茶を一口飲んだきり、湯のみの中ばかり見ていました。笑ってごまかせる空気は、もうどこにもありませんでした。
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彼女のいない1週間
























