「焼けすぎて誰かわからなかった笑」彼の前で同級生を笑った私が、写真を消した理由

コラム

「冗談だって」と引き返すまで

「俺は入ってきた瞬間にわかったよ」。立ち上がった彼が、グラスを彼女の横に置くのが見えました。「夏の間、プールで子どもを見てた腕だろ。俺はかっこいいと思うけど」。周りの空気が入れ替わるのがわかりました。取り繕う言葉を探すうちに、テーブルの話は次へ進んでいました。「冗談だって」。それだけ言って自分の席へ戻る途中、俯いた彼女が袖口を握っているのが目に入りました。文化祭のポスターを褒められて下を向いた、あの放課後の彼女を思い出したのは、その時でした。

そして...

化粧室へ向かう通路で、私はさっき撮ったままだった写真を開きました。日焼けした腕より先に、前を向いた彼女の顔が写っていました。彼が見ていたのも、きっと腕ではなかったのだと思います。からかいの言葉ごと、写真を削除しました。謝りたいのに、「今さら何を」と拒まれるのが怖くて、その言葉はまだ打てていません。深呼吸を1つしてから、私はスマホをかばんへ戻し、席へ戻りました。

(20代女性・事務職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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