息子がサッカー選手を目指してから、私は真下の部屋の音がずっと気がかりでした

コラム

エレベーターで一緒になった日

真下の方と会う機会があったら、まず謝ろうと決めていました。実際にエレベーターで一緒になった日、息子が先に「こんにちは」と元気よく声をかけ、私は「いつも、ご迷惑をおかけしています」と頭を下げました。

予定になかったのは、そのあと息子が自分から「毎日100回筋トレやってます」と言ったことです。肩に手を置いただけで、聞かれてもいないのに、本人はうれしそうに回数を伝えていました。

「この子、サッカーの選手になりたいそうで」

私が続けて説明したのは、音の理由を知っていただいたほうが、こちらの様子も伝えやすいと思ったからです。その上で、一番聞きたかったことを口にしました。

「マットは敷いているんですけど、下まで届いていませんか」

返ってきたのは「聞こえません」という答えです。

そして...

その場では安心しましたが、部屋へ戻ってからも気持ちは晴れませんでした。息子が100回という数を口にしたあとで、本当に何も届いていないのか、確かめきれていないからです。あの方が気を遣って言ってくださったのではないかと思います。

マットを敷いたから終わり、というわけでもありません。今も息子が練習を始める前には、マットの端がずれていないか確かめています。次にエレベーターで会えたら、サッカーの話より先に、まだ音が届いていないか聞いてみるつもりです。

(30代女性・パート)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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