
「その指輪、外さないの?」と聞いた私に、彼が3秒黙ってから返した一言
コラム
未練じゃないならいい、とは思えませんでした
そのあと彼は指輪を抜いて、テーブルに置きました。
「3年前に、ペアで2つ買ったんだ。片方は渡せないまま、今も引き出しに残ってる」
当時付き合っていた人に渡すつもりで、彼が1人で選んだものだそうです。重いと思われるのが怖くて渡す日を延ばしているうちに、関係が終わった。渡せなかった片方は箱のまま引き出しにしまい、関係が終わったあとに自分用のほうだけを指にはめ、次は言い出す前に諦めないための戒めにしていたと言いました。
未練ではなかった。それでも、私が言ったのはこれでした。
「未練じゃないならいい、とは思えない」
「俺にとっては、もう元恋人の物じゃない」
「でも、その意味を決めたのはあなただけでしょ」
彼にとっては自分への戒めでも、私から見れば元恋人とペアになるはずだった指輪です。同じ1つの指輪の意味が、私たちの間で最後まで揃いませんでした。
そして...
「捨てなくていい。でも、今付き合っている私の前で左手につけ続けるのは嫌」
私がそう言うと、彼はしばらく指輪を見ていました。
「そこは分けて考えてなかった」
指輪は今も彼の引き出しにあります。ただ、左手の薬指にはもうありません。処分してほしいとまでは言いませんでした。そこまで求めるのは違う気がしたからです。
引き出しにあると知っていて平気かというと、平気ではありません。それでも、平気ではないと口に出せたぶんだけ、前より楽になりました。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)






























