
「これ、私が作りました」が言えない…編み物を忘れただけなのにSNSでバズった結果
コラム
見せたのは、制作途中の写真です
数日後、花びらがよく見える写真が、まだ持ち主を待っているという言葉とともに流れてきました。花籠を見るために店へ行ったという投稿まで見かけました。母の誕生日が近づいています。私は開店してすぐ店へ向かいました。客はまだ1人だけです。レジにいた店員へ、携帯に残っていた制作途中の写真を見せました。
「これ、私が忘れたものです」
店員は写真と花籠を見比べ、袋に戻して渡してくれました。
「お待ちしていました」
そのあとに続いたのは、謝罪の言葉です。
「落とし物を探すつもりで載せました。でも、反応が増えてから、店の投稿として見てしまっていました。申し訳ありません」
そして...
私も、言えずにいたことを伝えました。
「探してくれたことは、ありがたかったです。でも、作った人まで見世物みたいになるのは、ちょっと怖かったです」
店員はもう一度頭を下げました。花籠を大きく写した投稿が消えたのは、その日のうちです。母の誕生日には、予定どおり渡せました。今も私は、あの角の席で編み針を出しています。変わったのは、席を立つときに椅子の横まで確かめるようになったことです。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)






























