
完成報告が並ぶたび、編みかけを箱に戻していた私が、スタンプしか押せなかった理由
ライフスタイル
届いたメッセージ
彼女から個別のチャットが届いたのは、そんなころです。
「私の投稿、載せないほうがいいですか」
既読を付けたまま、私は台所とスマホの間を何往復もしました。ごまかしの文はいくつも浮かびましたが、彼女に投稿をやめさせてしまったら取り返しがつきません。私は長い返信を、謝ることから書き始めました。
「ごめんなさい。あなたの写真だけ、返事をかけませんでした」
「私、編みかけのまま、編み物をやめようとしていたんです」
彼女の編み目に及ばない自分のことも、箱のカーディガンのことも、そのまま書きました。
そして...
送ったあと、私はクローゼットから箱を下ろしました。袖が片方だけのカーディガンを写真に撮り、グループに載せます。最初に返ってきたのは、彼女の一言でした。
「続き、一緒に編みませんか」
片方だけだった袖は、次の集まりまでに両方になりました。感想の口火を切る役に戻るより先に、載せる側に戻れた気がしています。
(40代女性・パート)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)



























