
後輩への頼み事を茶化せなかった俺が、敬語に込めていたもの
ライフスタイル
任せるのは、俺が一番信頼している後輩でした。だからこそ軽く受け流されたくなくて、選んだのが敬語でした。既読のまま返信が来ない時間が続きます。
送信ボタンの上で、指を何度も止めていました。相手は、いつも軽口を返してくる後輩。打っては消してを繰り返した末に残ったのは、普段の自分らしくない堅い文面でした。
任せたい相手に、どう切り出すか
異動の内示を受けて、最初に考えたのは担当案件のことでした。取引先との積み重ねを途切れさせるわけにはいかない。そして、任せられるのはあの後輩しかいない。細かいところまで気づいて、俺の雑な指示を何度も形にしてくれた相手です。そう決めてから、個人のメッセージアプリを開いては閉じる時間が続きました。
敬語を使った理由
いつもの調子で送れば、いつもの調子で返ってくる。それでは、この案件の重さも、俺がどれだけあの後輩を信頼して託すのかも、きっと伝わらない。冗談の延長で軽く流されてしまうのが怖くて、俺は茶化す言葉を全部消しました。「お疲れ様です。少しご相談したいことがあります。お時間をいただけますでしょうか。」。送ってすぐに既読はついたのに、返信はなかなか来ませんでした。戸惑わせているのだろうかと、返信を待つ間、意味もなくスマホを裏返しては戻していました。
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短い返信と、告げた用件

























