
同窓会で元カノを「黒歴史」と笑ったあの夜、本当に消したかったのは自分の10年間だった
恋愛
あの場で口にした「黒歴史」という言葉。本当は、誰よりも忘れられずにいたのは自分のほうでした。
同窓会の知らせ
彼女が来る。その情報だけで、同窓会に行くかどうか一週間悩みました。大学1年の冬に「合わないと思う」と振られてから10年。正直に言えば、あのときの傷はまだ消えていません。
あれから何人かと付き合いましたが、長続きしませんでした。どこかで彼女と比べてしまう自分がいて、相手にもそれが伝わっていたのかもしれません。今は一人暮らしのまま、仕事に追われる毎日です。「別に気にしてない」と自分に言い聞かせて、参加の返事を送りました。
見てしまった左手
会場に着いて、すぐに彼女を見つけました。10年前よりずっと綺麗になっていて、穏やかに笑っている。そして左手の薬指に、小さな指輪が光っていました。
結婚したんだ。幸せなんだ。もう自分の手の届かない場所にいる人が、誰かと笑い合っている。その事実がうまく飲み込めなくて、ビールを一気に流し込みました。酔いの勢いか、見栄か、それとも10年分の悔しさか。気づけば友人たちの前で口が動いていました。「いや俺さ、あいつと付き合ってたの完全に黒歴史なんだよね」。笑いながら言ったつもりでした。でも、自分の声がどこか震えていたのを、自分だけが知っています。友人の一人が気まずそうに目をそらしたのが、視界の端に見えました。
次のページへ
暴かれた嘘


























