
同窓会で元カノを「黒歴史」と笑ったあの夜、本当に消したかったのは自分の10年間だった
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暴かれた嘘
彼女の親友が目の前に立ったとき、嫌な予感がしました。あの夜のことを、彼女は知っているはずです。別れた直後、プライドも何もかなぐり捨てて、泣きながら電話をかけて「やり直したい」と縋った夜のことを。
「ねえ、別れたあと夜中に泣きながら電話してきて『やり直したい』って言ってたの、誰だっけ?」。その一言で、周囲の空気が変わりました。さっきまで一緒に笑っていた友人たちが黙り、誰かが小さく吹き出すのが聞こえました。今度は、笑われているのは自分のほうでした。黒歴史だと笑った相手に、10年間ずっと未練を残していた男。それが本当の自分の姿でした。
そして...
同窓会がお開きになった帰り道、意を決してLINEを送りました。「さっきは言い過ぎた。ちょっとだけ会えないかな」。送信してから、心臓がうるさいくらい鳴っていました。本当は謝りたかっただけではありません。もう一度、ちゃんと話がしたかった。10年分の気持ちを伝えたかった。あの頃うまく言えなかったことを、今なら言葉にできる気がしていました。
返信はすぐに来ました。「ごめんね、黒歴史の人とは会わない主義なの」。
駅のホームのベンチに座って、しばらく動けませんでした。電車が一本、また一本と通り過ぎていきます。黒歴史だったのは、彼女との過去じゃない。彼女を忘れられない自分を誤魔化し続けた、この10年間のほうでした。
(30代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























