
彼女の料理を親友と陰で笑いながら愚痴っていた俺が「それだけは無理」の4文字でごまかした夜
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付き合って2年。彼女の手料理を毎週のように食べている俺には、ひとつだけ彼女に言えないことがありました。そのひとつを、彼女以外の人間にだけ漏らしていたある夜の話です。
親友とのトーク画面
平日の夜、自分の家で一人、スマホをいじっていました。大学時代からの親友と、他愛のないやりとりで盛り上がっていたのです。話題は前日の夕飯のこと。彼女が作ってくれた煮物が、例によって味が薄く感じられたことでした。
「また薄いわ」と送ったら、親友は「お前の彼女の料理、全部それじゃん笑」と返してきます。俺も笑いながら「一応『うまい』って言ってるけどな」と打ちました。画面には、彼女への不満がずらずらと並んでいきます。誰にも見られない前提で、好き勝手に書けるのが楽でした。
ちょうどそのとき、彼女ともメッセージをやりとりしていました。
返せなかった一言
彼女から「友達と何の話してたの?」。既読をつけてしまったのに、何と返せばいいのかわからない。とっさに「内緒」と打って送りました。「友達と愚痴ってた」と書けば済む話なのに、隠してしまった自分がいたのです。
しばらくして、彼女から「じゃあ見せて」と届きます。スクショを送れば終わる話。でも送れません。親友とのトーク画面には、彼女を笑いものにしていた言葉がそのまま残っているからです。「それだけは無理」と俺は返しました。
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打てなかった言い訳
























