
「気づかなかった」と嘘をついた俺が、彼女の曲だけ消さなかった本当の理由
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彼女から届いたメッセージに、俺は嘘の返事を送りました。1曲ずつ選んで整理したはずなのに、どうしても手をつけられない曲が、いくつか残っていたのです。
スマホの画面に、彼女からのメッセージが表示されていました。短い通知を、俺はしばらく開けずにいました。用件の見当は、もうついていたからです。あの共有プレイリストのことだと、すぐにわかりました。
思い出ごと、消すしかなかった
別れたあと、あのプレイリストを開くのが怖くなりました。再生すると、彼女と過ごした場面がそのまま戻ってくるからです。旅先の車で笑っていたこと、俺が選んだ曲に文句をつけられたこと。1曲ごとに、その記憶が引きずり出されました。
だから俺は、自分が足した曲も、2人で見つけた曲も、順番に消していきました。聞くのがつらいものを、手元から減らしていくしかなかったのです。
その曲だけは、残してしまった
ところが、彼女が好きだった曲だけは、どうしても消せませんでした。あの曲たちは、2人の思い出というより、彼女そのものでした。家で口ずさんでいた横顔や、片耳のイヤホンを差し出してきた仕草が、メロディと一緒に残っているのです。これを消したら、彼女のことまで終わってしまう気がしました。
だから俺は、その何曲かには触れず、そのまま残しました。要らなかったからではありません。むしろ、最後まで手放せなかったのが、その曲たちでした。
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本当のことは、書けなかった
























