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「お母さんがいなくなればいいのに」娘にそう言われた夜も、私は夕食の片づけを続けた

コラム

誰もいない食卓

残された夕食を前に、片づけを始めました。娘の分のお皿は手つかずのまま。ラップをかけて冷蔵庫にしまいながら、自分の母のことを思い出していました。

私も中学生の頃、母に似たようなことを言った記憶があります。あのとき母がどんな顔をしていたか、もう思い出せません。けれどきっと今の私と同じ顔をしていたのでしょう。食器を洗う手を止めずに、ただそんなことを考えていました。

洗い終えたあと、私は台所でノートを広げました。以前から気持ちを整理するために書きつけていた、誰にも見せるつもりのない走り書きです。今日のことを書き残しました。

そして...

夜10時を過ぎた頃、玄関の鍵がそっと回る音がしました。足音を殺して廊下を歩く気配。私は寝室の布団の中で目を開けたまま、その音を聞いていました。

翌朝、娘はいつもより少しだけ早く起きてきました。「おはよう」と声をかけると、小さく「おはよう」と返ってきたのです。それだけ。

昨日までとは、何かが違う気がしました。理由はわかりません。ただ、あの一言の重さを抱えながらも、私は今朝も娘の朝食を用意しています。それしか、できることがないから。

(40代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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