
あの日、最低の質問をしたのは私だった。参観日の教室で目にした親子の姿が胸から離れない
コラム
参観日に見たもの
参観日の教室に、彼女のご主人が現れました。お母さんたちの中に一人だけ立つ男性の姿に、周囲がざわつきます。親子で工作をする時間、ご主人と子供が並んで座りました。
二人は顔は確かに似ていません。でも、ハサミを持つときの首のかしげ方、思い通りにいかないときの眉の寄せ方。完成した工作を持ち上げて笑う角度まで同じでした。隣で見ていた彼女が、そっと目元をぬぐっているのが見えて、私は思わず目をそらしました。あの親子の間にあるものは、顔の造りなんかでは測れないものでした。
そして...
参観日の帰り道、彼女に声をかけようとして、足が止まりました。ご主人と子供と三人で歩く後ろ姿を見て、かける言葉が見つからなかったのです。
私があの質問をしたのは、彼女の家庭を心配したからではありません。自分の傷ついた過去を、誰かの家庭にぶつけたかっただけでした。
謝らなければいけないとわかっています。でもあの親子の前に立つ資格が、今の私にあるのかどうか。まだ答えが出ないまま、あの教室の光景だけが胸の奥に残り続けています。
(30代女性・専業主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























