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同級生に「もったいない」と言い放った私の手は、3年前からピアノに触れていなかった

コラム

全国大会の知らせ

 3カ月後、共通の知人のSNSで彼女の教え子が全国コンクールで入賞したと知りました。指導者として彼女の名前が添えられていて、教え子と並んで笑う写真がありました。目を逸らしたくなりました。彼女は音楽の中にいる。形は変わっても、ピアノとともに生きている。「生徒さんが全国大会で入賞したんだって?」とメッセージを送りました。そして「すごいじゃん。ちゃんと育ててるんだね」と続けたのは、本心でした。

そして...

 あの日「もったいない」と言ったのは、彼女のことではありませんでした。本当にもったいないことをしたのは、音楽と生きる道がいくつもあったはずなのに、全部手放してしまった私のほうです。メッセージを送った夜、押し入れから古い楽譜を引っ張り出しました。埃を払って開いた1ページ目。指はもう覚えていないかもしれません。それでも、ここからならまだ始められるのかもしれないと、そっとページをめくりました。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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