
「お母さんの手伝いなんていらない」反抗期の息子→引っ越しの日に見つけた段ボールの中身
コラム
開けないで、と言われた箱
新居に着いて業者の作業が一段落した頃、段ボールを並べるくらいは手伝えるかと思い、部屋の奥の一つに手を伸ばしました。その瞬間、息子が駆け寄ってきて「それは開けないで」と強い声で言ったのです。
拍子にふたが少しずれ、中身がのぞきました。幼稚園の連絡帳、色褪せた誕生日カード、運動会のお弁当に入れていた手書きの応援メモ。年代順に重ねられて、すべてがその中に収まっていました。息子は顔を赤くしたまま、段ボールを抱えて何も言えなくなっていました。
そして...
「じゃあ帰るね」。それ以上何も聞かず、私は新居を出ました。駅までの道で、目頭が何度も熱くなりました。
冷たくされていたと思っていたこの2年間、息子は私が渡してきたものを一つも捨てずに持っていたのです。うまく甘えられない年頃の、不器用な答えだったのかもしれません。帰りの電車の中、窓の外を流れる景色をぼんやり見ながら思いました。あの子は今日、私からもらったものに囲まれて眠るのだと。それだけで、私には十分でした。
(40代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)

























