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義父が倒れた日、動けなかった俺。代わりに駆けつけた母の姿で、自分の家族観が変わった

コラム

母からの電話

昼前、母から電話が入りました。

「あなた、奥さんのお父さんが倒れたんですって?私、今から新幹線に乗るから。仕事忙しいのは分かるけど、今夜のうちに連絡だけはしなさい」

母が動いたことが、信じられませんでした。母とは年に数回しか連絡を取らない関係です。妻が母に直接連絡したのか聞くと、「お母さんから聞いたのよ。誰かが行かなきゃいけないでしょう」と。母が、僕の代わりに動いていた。妻の母から連絡を受けて、です。

電話の最後に、母はこう言いました。「あなたが家族を頼らない子なのは知ってるわ。でも、奥さんは違うのよ」電話越しに、ただ「はい」とだけ答えました。

そして...

夜、ベッドの中で「ごめん、明日行く」とメッセージを送りました。返事はありませんでした。

翌日、僕は出張先から実家に向かいました。病院の待合室で、義母と妻と母が並んで座っていました。義母は僕に「来てくれてありがとう」と言ってくれましたが、妻は何も言いませんでした。

母が帰り際、僕に小さな袋を渡しました。中には、子どもの頃に好きだったせんべいが入っていました。「夜、お腹すくでしょう」子どものときから知っていたはずのその気遣いに、僕は初めて気づいた気がしました。家族とは、頼っていいものだったのだと。

妻には、まだちゃんと謝れていません。「嫁の実家には帰らなくていい」と言った自分が、どれだけ妻を孤独にしていたのか。少しずつ取り戻していくつもりです。

(30代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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