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『ベランダから見える』で彼女を諦めさせた俺。前日にこっそり買った焼きそばに込めた本音

コラム

俺はインドア派で、人混みも騒がしい場所も得意ではありません。彼女は俺と正反対で、季節のイベントを心から楽しむタイプです。今年もまた花火大会の話が来たのですが、俺は俺なりに彼女のことを考えていたつもりでした。

送信ボタンを押した4回

日曜の昼、スマホに彼女からの通知が届きました。文面を見て、頭の中ではすぐに当日の人混みが浮かびました。電車も会場も身動きが取れないほど混雑して、屋台は行列で、帰りはタクシーも捕まらない。考えれば考えるほど、行く気にはなれませんでした。

「花火大会行かない?」 というメッセージに対し「混むから嫌」と打ち、送信ボタンを押したあとで、もう少し言い方があったかなと思いましたが、もう遅いことです。

少しして「花火見たいんだけど」というメッセージが届きました。自分の家のベランダから去年見えた花火を思い出して、「ベランダから見える」と送信しました。それで話は終わったつもりでした。けれど、メッセージを閉じたあとも、彼女が浴衣を着て屋台で歩く姿が頭から離れなくなっていました。

仕事帰りに寄ったスーパー

花火大会の前日、仕事帰りに駅前のスーパーに寄りました。普段はあまり立ち寄らない店です。レジ前のかご売りの焼きそばと、塩茹での枝豆、それから瓶のラムネを6本。レジで店員に「お祭りですか?」と聞かれて、俺は曖昧にうなずきました。

家に帰って、ラムネを冷蔵庫の一番冷える段に並べました。屋台の代わりにはならないことくらい分かっています。それでも、何もない部屋に彼女を呼ぶのは違う気がして、自分にできる範囲のことをしておきたかったのです。 「混むから嫌」のあとに「ベランダから見える」とだけ返した自分の文面を、その夜もう一度見返しました。彼女がどんな顔をしてあれを読んだのか、考えると申し訳ない気持ちが膨らみました。

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玄関を開けた瞬間
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