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「最近の若い子は席も譲れない」と言われた朝、本当は熱があった私が立ち上がった話

コラム

私は都内で働く20代の会社員です。その日は前夜から熱っぽさが残っていて、なんとか満員電車に乗り込んだところでした。座席で目を閉じて頭痛をこらえていた私は、ある一言で顔を上げることになったのです。

目を閉じていた朝の電車

朝、目覚ましの音で起きた瞬間から、頭が重く熱っぽさを感じていました。それでも休むほどではないと思い、いつもの通勤電車に乗り込みました。なんとか座席に座れた私は、目を閉じて発車を待ちました。次の駅で人がたくさん乗ってくる前に、少しでも体力を温存したかったのです。電車が動き出してからも、目を開ける気力がありませんでした。額の汗をハンカチで押さえながら、降車駅まで持ちこたえることだけを考えていました。

頭の上から降ってきた一言

3つ目の駅に止まった時でした。ふと、自分の前に誰かが立った気配を感じました。けれどそれを確認するために目を開けるのも、つらかったのです。そのまま十数秒が経った頃、頭の上から声が降ってきました。 「最近の若い子は席も譲れないのね」 聞こえるように、わざと言われた一言でした。私はとっさに目を開けて、慌てて立ち上がりました。目の前にはお年寄りの女性。 「すみません、気づかなくて」 そう言って席を空けました。女性は無言のまま、ゆっくり腰を下ろしました。

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ドア際で揺れる30分
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