
彼女から届いた「お母さんに会いたい」の主語を、3分かけて読み違えた話
コラム
「そっちか」と打ったあとの違和感
3分ほど経ったころ、追加のメッセージが届きました。
「あ、ごめん。私の母がね、一度会いたいって」
読んだ瞬間、テーブルに置いていたグラスをようやく口に運びました。あぁ、君のお母さんね。それなら全然違う話だ、と。僕は「びっくりした、そっちか」とだけ返しました。
短く、軽く済ませたかったのです。でもメッセージを送ったあと、自分の安堵がどこから来ているのか、考え込みました。結婚じゃないとわかってホッとした、その「ホッ」が、僕のほんとうの気持ちだったのではないか、と。
そして...
その夜、晩酌は途中でやめました。テレビの音を消して、ベッドに座って、あの時間で考えたことを順番に思い返しました。結婚式、引っ越し、指輪。あれだけ瞬時に「逃げる準備」をした自分を、なかったことにはできません。
彼女のことは好きです。けれど結婚という言葉に、僕はまだ覚悟が追いついていない。それを認めることは、彼女に対して誠実ではないかもしれません。でも誤解したまま「そっちか」で済ませるのも違う気がしました。次に会ったとき、3分間の話を、自分の口から伝えるつもりです。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























