
「知ってた」と返した直後、「迎えに行こうか?」と打ちかけた俺が送信を躊躇した30分
コラム
打ちかけた一言を送れなかった夕方
入力欄に「迎えに行こうか?」と打ち込みました。送信ボタンに親指を置いたまま、けれど押せませんでした。
今、これを送るのは、彼女の沈黙への返事みたいで、なんだか格好悪い気がしたのです。怒っていないなら過剰に気を回したことになるし、怒っているなら機嫌取りに見える。たぶん少し経てば、彼女の方から「もう買い物行ってきた」とか何か送ってくるだろう、と思って、入力欄の文字をいったん消しました。
結局、その日はカメラを買わずに店を出ました。近くのカフェで時間を潰し、夕方まで彼女からの連絡を待ちましたが、スマホは何も知らせてはくれませんでした。
そして...
その夜、俺は彼女に何も送れないまま眠りました。「迎えに行こうか?」のひとことを、結局送り損ねた一日でした。
翌朝、彼女から先にメッセージが届きました。「昨日はごめん、ちょっと機嫌悪かった」。本当に申し訳なくて、すぐに返しました。「俺もごめん、迎えに行けばよかった」。
「知ってた」と返したとき、俺は彼女のパターンを愛おしく思っていただけで、突き放したつもりはありませんでした。けれど結局、その先のひとことを送れなかったのは俺です。読めているつもりで何も伝えていなかった一日だった、と思いました。次に同じことがあったら、今度はちゃんと「迎えに行く」と書こうと決めています。
(20代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























