
「知ってた」と返した直後、「迎えに行こうか?」と打ちかけた俺が送信を躊躇した30分
コラム
俺は付き合って1年半になる彼女がいます。週末は2人で過ごすことが多いのですが、その日は1人で街に出る予定がありました。彼女からの何気ないメッセージにいつもの調子で返した昼下がり、その後に続けて打ちかけた一言を、俺は送ることができなかったのです。
家電量販店で見ていた一台
土曜の昼下がり、俺は街中の家電量販店にいました。最近ずっと欲しかった一眼カメラを見に行くためで、彼女には黙っていました。「ゴロゴロする」と言っていた彼女を巻き込まずに、ゆっくり選ぼうと思っていたのです。
ショーケースの前で店員さんと話していると、スマホが震えました。画面を見ると、彼女からのメッセージです。「やっぱ暇」。たった一行のその文面に、俺は思わず笑ってしまいました。
彼女はだいたい、家でゴロゴロすると言って、午後にはこうなるのです。「暇」「お腹空いた」「結局なんもしてない」。付き合って1年半、何度も繰り返してきたパターンでした。可愛いな、と思いました。
「やっぱ暇」に「知ってた」と返した瞬間
「知ってた」と打ち込んで、送信ボタンを押しました。「知ってたよ」とも「だと思った笑」とも書かなかったのは、シンプルな方が彼女らしいテンポに合うと思ったからです。
ショーケースに視線を戻して、また店員さんと話し始めました。3分くらい経って、ふとスマホを確認しました。彼女からの返信はありません。普段ならすぐに「迎えに来てよ笑」とか「外出てる?」とか、何かしら返ってくるはずなのに、画面はそのままでした。
あれ、と思いました。もう一度メッセージを開き直して、送ったメッセージを見返します。改めて読み直すと、確かに少しそっけない返事だったかもしれません。
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打ちかけた一言を送れなかった夕方

























