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残業ゼロの部下を見下していた俺が、評価会議で気づいた時代遅れな自分

コラム

評価会議で部長から告げられた一言

評価会議で彼女の名前が議題に上がったとき、俺は係長候補から外す方向で発言しようとしていました。そのとき部長が口を開いたのです。「彼女の生産性は部内トップだ。時間内に成果を出す力こそ、これからの管理職に必要だよ」。

部屋がしんとなりました。誰も俺をかばってくれませんでした。続けて部長は「君も働き方を見直す時期じゃないか」と俺に向き直って言いました。否定されたのは彼女の評価ではなく、俺がこの30年間信じてきた働き方そのものでした。

帰宅する電車の中で、ぼんやり窓の外を眺めながら考えました。俺はこれまで何のために夜遅くまで働いてきたのか。彼女は時間内に同じ成果を出している。彼女が正解だったのか、俺が間違っていたのか。答えが出ないまま、家に着く頃には日付が変わっていました。

そして…

翌朝、彼女のデスクに行って「おめでとう。昇進、君のことだ」と声をかけました。彼女はまっすぐ俺を見て「ありがとうございます」と返してくれました。その目には、3年間揺るがなかった人の落ち着きがあったように思います。

その日の夕方、彼女がいつも通り「お先に失礼します」と退社するのを、俺は手元の書類を見つめながら聞いていました。何かを言いかけて、結局言葉になりませんでした。「定時で帰るやつは出世できない」。30年信じてきたその一言を、もう若手に向けて口にすることはないだろうと思います。

俺の人生が間違いだったとは、今でも思いたくありません。ただ、彼女の働き方を否定することで自分を肯定してきたことは、認めなければならないのだと思います。

(50代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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