
「何もいらない」が口癖の俺→当日プレゼントなしの誕生日に、本音を漏らした結果
コラム
口癖の正体
食事の終わりごろ、彼女が真剣な表情で「何かあった?気に障ること、しちゃったかな」と聞いてきました。隠そうとしたけれど、口が勝手に動きました。「いや……正直、ちょっとは期待してた」。
彼女は少し驚いた顔で「でも、何もいらないって自分で言ったよね?」と返しました。返す言葉がありません。「うん、わかってる。俺の口癖なんだよな。気持ちだけでいいって言うのが」と、自分でも初めて気づいたことを口にしました。彼女は一度部屋を出ると、新品のボールペンを持って戻ってきて、俺に差し出してくれました。シンプルで、いかにも俺が好きそうな一本でした。
そして...
「これ、よかったら使って。誕生日プレゼント、ちゃんと用意できなくてごめんね」。そう言って彼女が差し出したペンを、俺は「ありがとう」と受け取りました。
「気持ちだけでいい」「何もいらない」。俺はずっとそう答えてきました。でもそれは謙虚な姿勢ではなく、欲しいと口にするのが怖かっただけだったのかもしれません。期待を口に出して、それが叶わなかったときに傷つくのが嫌だった。だから先回りして「いらない」と言ってしまう。来年こそ、ちゃんと「あれが欲しい」と言える自分でいたいと思います。ペンを握りながら、それが彼女への、いちばんの誠実さなのかもしれないと思いました。
(20代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























