
「老人ホームに入れるなんて冷たい」と親戚に責められた私→父が職員に話した本音
コラム
職員さんから聞かされた言葉
叔母の言葉が頭から離れず、私は週末に父のいる老人ホームを訪ねました。父はちょうど別の入居者と将棋を指していて、私を見ると軽く手を上げて「もう少し待ってて」と笑顔を見せます。その様子を遠くから見ていると、女性の職員さんが横に来て、お茶を出してくれました。
「お父様、本当に穏やかに過ごされていますよ」。私が頭を下げると、職員さんは少し迷ったような顔で続けました。「お父様、いつもおっしゃっているんです。『娘には娘の人生がある。あの子に縛られてほしくないんだ』って」。思わず職員さんの顔を見つめてしまいました。
そして...
帰り道、駅のホームで電車を待ちながら、職員さんの言葉を何度も思い返しました。父はあの夏の日、「自分で選んで、自分で決めたい」と言いました。あれは父の自尊心の話だとばかり思っていたのです。本当は、私への思いやりがその奥にあったのだと、半年経って初めて気づきました。
親戚にどう思われようと、もう構わない。父が自分で選んだ道で、笑顔で将棋を指している。それで十分なのだと思えました。私は来た道を引き返し、もう一度父の部屋を訪ねました。「お父さんの選択を、私は誇りに思ってる」。そう伝えると、父は照れくさそうに「そうか」とだけ返してくれました。
(40代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























