
待ち合わせの地図と一緒に、彼女に送るはずのなかったメッセージを送ってしまった、あの日の俺
コラム
カフェの窓越しに見た、彼女の顔
すぐに訂正の連絡を入れようとして、やめました。下手に取り繕えば、かえって怪しく見える。そう考えているうちに、約束の場所に彼女が着いてしまいました。
窓の外に立つ彼女は、こちらをじっと見つめたまま、なかなか中に入ってきません。その表情で、彼女がどれだけ思い詰めているのかが伝わってきました。俺は店を出て、彼女のもとへ駆け寄りました。「ごめん、それ、友達に送るはずだったメッセージなんだ」。あとから出てきた友人も、頭を下げてくれました。彼女はテーブルのケーキを見て、ようやく事情を飲み込んだようでした。
そして...
席に着いてから、彼女がぽつりと言いました。「てっきり、ほかの誰かと会うんだと思った」。
その言葉に、俺は返事のかわりに深く頭を下げました。サプライズの準備に夢中で、彼女を不安にさせていたことに、ようやく気づいたのです。驚かせることばかり考えて、毎日の彼女の気持ちを置き去りにしていました。サプライズさえ成功すれば全部うまくいく。そんな俺の考えは、ずいぶん身勝手でした。
「これからはちゃんと言葉にするよ」。彼女と並んでケーキのろうそくに火をつけながら、俺はそう約束しました。次は段取りより先に、ちゃんと彼女と向き合おうと思います。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























