
元カノを追い出せなかった俺が、彼女に「誠実な人間じゃない」と打ち明けた理由
コラム
元カノが出ていく日が近づくほど、俺の中で焦りだけが膨らんでいきました。このまま彼女をだまし続けることは、もうできない。けれど本当のことを話す勇気も、なかなか持てずにいたのです。
送金アプリの画面を開いたまま、メモ欄に何を書こうか、俺はしばらく迷っていました。彼女に届く、たった一行。けれどその一行に、俺は本当の気持ちを乗せたことがありませんでした。誠実なふりをするのは、いつだって簡単だったのです。
追い出せなかった、本当の理由
彼女と付き合い始めた時、俺の部屋にはまだ元カノが住んでいました。別れたのに出ていこうとしない元カノに、俺は何度も話を切り出そうとしました。けれど、その話になると元カノは感情的になって声を荒らげる。そのたびに俺は、彼女に「もう少しだけ、待ってほしい」と伝えるしかありませんでした。
本当は、分かっていました。揉めごとが嫌だというのは半分だけ本当で、もう半分は言い訳です。元カノを追い出して新しい関係に進む、その決断そのものから、俺はずっと逃げていたのです。
一行に、隠していたもの
元カノは、出ていく条件として、俺が他の女性と連絡を取らないことを求めてきました。俺は逆らえず、自分のスマホから彼女の連絡先を消しました。それでも完全に切れるのが怖くて、送金アプリのメモ欄を使って、彼女と連絡を取り続けたのです。「これでしか連絡できなくて、ごめん」。そう送った時、俺は自分を悲劇の主人公のように感じていました。
でも、本当はずるかったと思います。あの一行は、彼女をつなぎとめておくための保険でもありました。元カノとの関係を完全に終わらせないまま、彼女のことも手放さない。どちらも失いたくないという、身勝手さの裏返しだったのです。
次のページへ
逃げるのを、やめた日


























