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転売目的で新作カードを買い占めたオレに、店員が突きつけた販売ルールと、後味の悪さ

コラム

お一人さま三点まで。店員に告げられたルールに、思わず声を荒げました。けれど親子連れの後ろ姿を見送ったあと、オレの中に残ったのは、勝ち負けとは違うざらついた後味でした。

目当ての新作カードが並ぶ棚の前に立ち、並んだ新作を片っ端からカゴへ放り込んでいきました。一枚残らず押さえて、あとで高く売る。それがオレのいつものやり方です。背後に親子連れが来た気配には、気づかないふりを決め込んでいました。

早い者勝ちだと思っていた

新作の発売日は、オレにとって稼ぎ時でした。人気のカードをまとめて押さえ、あとで高い値段で売る。それを当たり前のように繰り返してきたのです。

その日も開店と同時に売り場へ駆け込み、誰よりも早く棚を目指しました。後ろから「何が当たるかな」と弾んだ子どもの声が聞こえた気もしましたが、振り返りはしませんでした。

親子がこちらを見ているのに気づくと、オレは「全部オレが買うから」と言い放ち、手を動かし続けました。早い者勝ちだ、文句を言われる筋合いはない。そう自分に言い聞かせていました。

棚がほとんど空になったころ、視界の端に小さな手が映りました。何もなくなった陳列棚に、ためらいがちに伸びていく子どもの手です。気づいてしまったぶんだけ、オレは見なかったことにして、残りをカゴへ放り込みました。

突きつけられた販売ルール

カゴがいっぱいになりかけたころ、店員が小走りで近づいてきました。オレのカゴをちらりと確認すると、はっきりした声で言ったのです。

「申し訳ございません。こちらの商品は、お一人さま三点までとさせていただいております」

続けて、「本日は、お子さま優先での販売です」と。「は?そんなの聞いてない」と、思わず声を荒げました。それでも店員は笑顔を崩さず、一歩も引きません。周りの視線が一斉にこちらへ集まるのがわかりました。

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