
転売目的で新作カードを買い占めたオレに、店員が突きつけた販売ルールと、後味の悪さ
コラム
振り返った先にいた親子
結局、オレが手にできたのは三点だけ。舌打ちまじりに捨て台詞を吐いて、その場を離れようとしました。ところがレジの方へ目をやると、さっきの男の子が、補充されたばかりのカードを大事そうに選んでいたのです。
母親の隣で無邪気にはしゃぐその横顔は、まぶしいくらいに嬉しそうでした。オレが空にしかけた棚の前で、あんな顔ができる子がいる。そう思うと、勝ち負けとは違う、ざらついた感覚が後を引きました。
そして...
転売そのものが悪いとは、今でも思っていません。早い者勝ちの世界で、立ち回りがうまいだけだ。そう割り切ってきたはずでした。
それでも、見なかったことにしたはずのあの子の手が空っぽの棚に伸びていた光景だけは、なかなか頭から離れませんでした。オレが押さえた三点は、結局その日のうちに売れました。けれど、思っていたほどの達成感はありません。
次の発売日も、オレはまた同じ場所に並ぶのでしょうか。レジへ向かう親子の後ろ姿が、やけに長く目に残りました。
(30代男性・自営業)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























