
ライブ会場でうちわを高く掲げた私→後ろの声に「今、いいところなんで」と言った
コラム
推しの一言で
どれくらい経ったでしょうか。曲の合間に、推しがマイクを手に客席へにこやかに呼びかけました。「うちわは胸の高さで、後ろの人にも見えるようにね」「ルールを守ってみんなで楽しもう!」。その瞬間、まるで私のためだけに言われたようで、うつむくしかありませんでした。ついさっき、後ろの人にあんな返事をしたばかりだったからです。同時に、ずっと前に参加した別のライブで、前の人のうちわに視界をふさがれ、ほとんど見えなくて悔しかった記憶がよみがえりました。私は、あのとき自分が嫌だったことを、お願いされても知らないふりをして、後ろの人にそっくりそのまましていたのです。
そして...
それからは、とても後ろを振り返ることなんてできませんでした。けれど、うちわの高さに気をつけながら、最後まで精いっぱい応援しました。推しに会えるうれしさは、私だけのものではありません。あの会場にいた一人ひとりが、同じ気持ちであの場所に集まっていたはずです。後ろの席の人にも、きっと大切にしたいこの時間があったのだと、ようやく気づきました。次に現地へ行くときは、まわりの人の笑顔ごと、この時間を大切にしたい。そう心に決めた、忘れられない一日になりました。
(20代女性・大学生)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























